セットプレーの基本要素
ここでは、セットプレーの基本要素を、試合中最も頻繁に見られるコーナーキックを例として解説します。

少々お題目を唱えておきますと、2004年のユーロはセットプレー、特にコーナーキックで決まった。 ならばそれについて詳しく見ておくことも重要ではなかろうか、というのが建て前なのですが、別にそれ抜きでも面白いテーマだと思われます。

今後徐々に増えて行きますが、つっこみ、ご質問等、お待ちしております。

記号の意味



実線:ボールの動き
点線:選手の動き
よって上図はショートコーナーを表しています。
セットプレーで考えるべきことは、

1 スペースをつくる
2 フリーな(マークされていない)選手をつくる
3 スペースを使う

以上になります。
スペースをつくる基本的な動きは、

スペースをつくる1
スペースをつくる2

フリーな選手をつくる動きは

ピックアップ
スタック
クイック

をご覧下さい。
今回は数ある要素の中から、以上の5点に焦点を当てて解説します。
「スペースを使う」の基本は、空けたスペースにフリーの選手を入れ、そこにパスを送ることです。
以下、解説文の中は無愛想に言い切り調になりますのでご了承の程を。
次回はこの簡単な要素を組み合わせて実際に行われたセットプレーの分析を試みます。
スペースをつくる1
攻撃側が意図的な動きで望む場所にスペース(空隙)を生み出し、そこへ他の場所からパスを受ける選手を入れる。
サッカーで最も重要な概念だが、ここでは一番基本的な例を挙げる。
英語ではクリエイティング・スペース、スペイン語ではエスパッシオ・リブレとも言う。

図1:


1、2は斜め前方に移動する。

図2:


二選手が最初に居た地点に空隙(Z)が残る。

スペースをつくる2
上記の単純な動きにクロス・ムーブ(モビミエント・クルサド、交差する動き)を加える。
さしたる違いはないように思われるが、交差することにより守備側の注意をより中央から逸らすことができる。
また、交差することでその動きを行った選手自体がフリーになる可能性も増す。

図1:


1、2は互いに交差するように動く。

図2:


中央に空隙(Z)が残る。

ピックアップ
これはマンツーマンディフェンスを破るために有効な戦術で、バスケットボールで多用される。
一人の選手がある味方選手に付くマーカーの進路を妨害し、マークされていた選手をフリーにする。

図1:初期状態


図2:動き


まず攻撃側(赤)の選手1、2は交差するように動き出す。この時2は1をマークするAの進路を妨害するように動きを調整する。

図3:妨害状態


図4:動き


動き続ける1を追うために、Aは2とBを迂回しなければならない。

図5:移動後


その結果1はフリーになる。
スタック(重ねあわせ)
マンツーマンディフェンスに対抗し、攻撃側の選手を重ねる、つまり、密着した状態で配置することで守備を妨害し、マーカーとの距離を保つ。

図1:初期状態


攻撃側(赤)の選手1は2の背中に密着し、マーカーAとの距離を取る。

図2:動き


1は前に動くフェイントからその方向を変える

図3:移動後


最初の距離が開いていたため、Aは1の方向転換に対する応対が遅れる。結果として1はフリーになる。

クイック(現れる)
バレーボールのクイックに近いイメージを持つコーナーキックからのヘディング。
キッカーは所定のタイミングで所定の場所にボールを送り込み、ヘディングをする選手も決められたタイミングに決められた場所に動く。
選手がボールに合わせて跳ぶ、というよりも、ボールが選手のジャンプに合わせて現れる感じが望ましい。

図1:


キッカーの蹴るタイミングに合わせて1は指定された場所、この場合、ニアポスト前、キーパーエリアの淵へ移動する。

図2:


指定場所で急激に止まり、場合によっては軽くバックステップを踏む。
守備側のストップは遅れるため、一瞬フリーになる。

図3:


その瞬間にボールが頭の前に現れればゴールチャンスになる。

セットプレーへ戻る
トップページへ戻る