Valladolid vs Real Madrid
07.09.23.domingo
日時:2007年9月23日(日)
対戦:スペインリーグ第4節 バジャドリー対レアル・マドリー
結果:1−1
得点:70分 1−0 ペドロ・ロペス
85分 1−1 サビオラ
審判:イトゥラルデ・ゴンサレス(バスク)
退場:−
警告:ビュテル、ボルハ(バジャドリー)
サルガド(マドリー)

「さて」

「なんだ」

「レアル・マドリーはバジャドリーと引き分けた」

「よかったな」

「何が」

「いや、負けなくて良かったと思ってな」

「嫌味やな」

「そんなことないって。流れとしては完全に負け試合やったしな」

「先発はこうやな」

「マドリーはスナイデルがおらんな」

「ここの所、代表にチャンピオンズに出ずっぱりやったから、ローテーションでお休みだそうな」

「しかし、それではまずいのではないかね」

「まずいな」

「今のマドリーというのはスナイデルとグティからのカウンターと、スナイデルのフリーキックだけのチームやろ」

「極言するとそうやな」

「そこからスナイデルを抜いたらなんにも残らんような気がするが」

「だからバジャドリーに好きなようにプレーされたわけだ」

「困ったことやな」

データ的にはそんなにやられてるようには見えへんねんけどな」

前回よりは遥かにいいな」

コーナーキックの数以外は互角かそれ以上やしな」

「ところがだ」

「なんだ」

このデータを見るとそうとばかりも言えんわけだ」

「ボール保持率は互角やな」

「ところが、ペナルティーエリア内に送られたパスの数を比較するとバジャドリーの方が三十二本も多い」

「三十超えはすごいな」

「これはバジャドリーがこう動いていたことによる」

「基本はサイドからのクロスやな」

「マドリーはディフェンスラインと中盤がぱっかりと空く、ならばそのスペースにサイドから人を入れてどんどん放り込めばえやないか、という攻め方やな」

「わかりやすいな」

「エリア内にパスを入れた回数のトップスリーは、左中盤のセスマが11本、左サイドバックのオスカル・サンチェスが8本、右中盤のシシが7本となっている」

「皆サイドの選手やな」

「特に左サイドが多いな」

「サイドバックのオスカル・サンチェスがうまいから、その影響やな」

「彼はいいな」

「全般的なテクニックに優れているのに加えて、特にこの手のプレーがいい」

「いわゆる相手を引き付けてのパスか」

「例えば、下の例では二人のディフェンダーに寄せられいるけれども、一度その二人の間に割って入るフェイントを入れてからバックパスを出している」

「これは大切やな」

「相手の寄せにびびって、直ぐにボールを離すと、それを受ける選手がプレッシャーを受ける。ところが、一度間へのフェイントを入れて敵を引き付けてパスを出せば、それを受ける選手はプレッシャーを受けない」

「パスは受け手のことを考えて出しなさい、というやつやな」

「青線のように相手を動かすと余裕が生まれるけど、赤線のようにやると生まれない」

「うむ」

「さらに上の例では、攻め上がっている状態で一度中に切り込んで、サイドのディフェンスを引き付けた後、ライン際にパスを出している」

「フリーな選手を作る最も簡単な方法の一つやな」

「方法としては簡単やけど、相手に近づいても取られないだけの技術とそれを恐れない度胸、そしてボールを離すタイミングを見切る能力が要求されるから誰にでもできるというわけではない」

「それをできるかどうかが上手い、下手の分かれ目ではあるな」

「オスカル・サンチェスは伊達に10番を背負っているわけではないというこっちゃ」

「ただ気になるのはだ」

「なんだ」

「そのオスカル・サンチェスも含めて、前半のバジャドリーはサイドにこだわり過ぎだったような気がするのだが」

「それはあるな」

「例えば、こういう形でサイドに出すのはどうかと思うで」

「フォワードの動き出しが良かったら、そこは縦にスルーパスやな」

「サイドは中央を空けるために攻めよ、という話や」

「まあ、後半に入るとかなり縦へのパスが増えたけどな」

「確かに」

「ほんで、70分に得点がうまれる」

「とんでもないゴールやったな」

「バジャドリーの右サイドバック、ペドロ・ロペスがゴール右37mの地点からシュート」

「もの凄い勢いで飛んだボールは、逆サイド左上隅に突き刺さった」

「決まった瞬間、敵のディアラはなんてこったいとばかりに頭を抱え、味方のボルハもアンビリーバボーと頭を抱えた」

「よくあるロングシュートといえばそうやけど、軌道が実に綺麗だった」

「カシージャスによると、彼が喰らった中で3本の指に入るらしい」

「それは名誉なことやな」

「このゴールで、優勢だったバジャドリーがやっとこリードを奪う」

「内容的には大いに勝っていたけど、お金の無いチームにありがちなゴール前の不手際が際立っとったからな」

「これで尻に火がついたマドリーは82分にサルガドをサビオラに代える」

「すると85分に点が入った」

「それも3分前に入ったばかりのサビオラが入れた」

「彼らしいというかなんというか」

「このゴールは、こんな流れから入った」

「見事なマドリーのカウンターやな」

「しかし、ここで不思議なことがある」

「バジャドリーの守備か」

「例えば上から2番目の写真や」

「バジャドリーは勝っているのにスペースを空け過ぎやな」

「5番目の写真を見ても、一番大切な場所ががら空きや」

「そこでグティにボールを持たれたら厳しいわな」

「1点勝っているわけだから、なにもそこまでして攻めることはないと思わんかね」

「普通だったら、攻められる状況でも、2人しか上がらずに後ろを固める場面やな」

「時間が時間やしな。ここまでバランスを崩して攻める必要はない」

「そうは言ってもそれがメンディリバルのやり方なんではないかね」

「そうかね」

「試合前からバジャドリーの選手はマドリーを相手に一歩も引かずに叩き合うことを覚悟したいい顔をしていたわけや」

「ほんまかいな」

「そんで、試合でも実際に一歩も引かずに押し切っていたわけだから、この場面でもやはり攻める精神が表に出たのではないかね」

「それにしても行き過ぎやろ」

「いや、思うにこの試合のハイライトというのは、同点に追いつかれた後のバジャドリーの動きにあると思うんや」

「どういうことや」

「普通、この状況で追いつかれるとチーム全体にガックリとした雰囲気が漂うもんだけど、バジャドリーは失点の後もそれ以前とほとんど変わることなく攻めようとしていた」

「まあホームやしな」

「ホームいうても相手はレアル・マドリーやで」

「そうやけどな」

「もし、守って守って1点差で勝とうとしていたチームだったら、同点に追いつかれた段階でがっくりとくるはずなんや。バジャドリーにそれがなかったということは、本気でレアル・マドリーと攻め合う気だったはずではないかね」

「半信半疑やな」

「世の中、口では”一点取られたら取り返せ”と言いながら、いざとなると守りに入る監督が多い中でたいしたもんやと思うで」

「そういえばだな」

「なんや」

「メンディリバルが試合の後に微妙な発言をしとったな」

「どんな」

「”マドリーはお金がもたらした質の良さを持っている”と言うておったんや」

「それはちょっと男前じゃないな」

「”チームとしては我々が勝った。引き分けたのは、個人の一発芸で点を取られたからであって、マドリーにそういう選手がいるのは金の力だ”ということやろな」

「正しいと言えば正しいけどな」

「なんにしても、攻めるバジャドリーは注目のチームということで」

「そんなまとめかいな」

「それともう一つ」

「なんや」

「レアル・マドリーのシステムは実は1-4-4-2だそうだ」

「あの変な形でか」

「この試合の途中でセルヒオ・ラモスが右手の指を四本、左手の指を四本立てて、それを叩き合わせる仕草をしていたわけだ」

「それがどないしたんや」

「これは、”ディフェンスラインと中盤の4人がもっとくっつかなあかんやんか”という意味で、つまりマドリーのシステムが守備的には1-4-4-2であることをあらわしてるわけよ」

「シュスターの頭の中はそうかもしれんが、ちっとも実現されてないな」

「そこが問題なわけや」

「そんなこんなで」

「今回はこの辺で」

「また次回」

「ごきげんよう」



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おまけ:バルサ対セビージャ

ロナウジーニョを外し、システムを1-4-1-4-1に近づけることで守備が非常に安定した。
ボールホゼッションがなかなかチャンスにつながらない状況は相変わらずである。


おまけ2:バジャドリーの中央の守備

中盤がサイドに寄った後、センターフォワードが中央を埋める。